エコアクション21 認証取得はゴールではない!持続的成長のための「維持・改善」5つのポイント
はじめに:認証取得後の「燃え尽き症候群」に陥っていませんか?

エコアクション21の認証を取得された事業者の皆様、誠におめでとうございます。
目標達成に向けた多大なご尽力、そして環境経営への高い志に、心から敬意を表します。
しかし、長年コンサルタントとして多くの事業者様を支援する中で、残念ながら少なくない企業が陥ってしまう「ワナ」があります。
それは、「認証取得がゴール」となってしまい、その後の活動が形骸化してしまうという現象です。

とりあえず認証は取れたから一安心

日々の業務が忙しくて、環境活動まで手が回らない

担当者が変わったら、誰もやり方がわからなくなってしまった
・・・そんな声が聞こえてきそうです。
エコアクション21の本質は、認証という「お墨付き」を得ることではありません。
環境経営システムを継続的に運用し、改善を続ける(=スパイラルアップ)ことで、環境負荷の低減と経営の安定・発展を両立させることにあります。
認証取得は、いわば「スタートライン」に立ったに過ぎません。
本コラムでは、皆様がエコアクション21を真に価値あるものとして活用し、持続的な成長の原動力とするための「維持・改善」の具体的なポイントを、5つに絞って解説いたします。
なぜ「維持・改善」が重要なのか?
ポイント解説の前に、なぜ単なる「維持」だけでなく「改善」まで求められるのか、その理由を改めて確認しておきましょう。
活動が形骸化・マンネリ化すると、主に3つのデメリットが生じます。
- 従業員のモチベーション低下と形骸化
毎年同じ目標、同じ活動の繰り返しでは、従業員の関心は薄れていきます。
「またこの作業か」という意識が蔓延し、記録は惰性でつけられ、環境活動は「やらされ仕事」になってしまいます。 - 経営メリットの喪失
エコアクション21の大きなメリットである「コスト削減(省エネ・省資源)」「企業価値の向上」「リスク管理」といった恩恵は、継続的な改善活動があってこそ得られるものです。
活動が止まれば、これらのメリットも失われてしまいます。 - 審査での指摘リスク
審査員は、多くの企業を見ているプロです。形式的に取り繕っただけの運用は、中間審査や更新審査の場ですぐに見抜かれてしまいます。
結果として、改善勧告や環境経営システム不適合の指摘につながります。
これらの事態を避け、エコアクション21を企業の血肉とするために、次の5つのポイントをぜひ実践してみてください。
エコアクション21を「維持・改善」するための5つの具体的ポイント
ポイント①:目標設定の「見直し」と「具体化」
認証取得時に立てた環境経営目標を、毎年そのまま使い回していませんか?
目標は、活動の羅針盤です。
定期的にその達成度を評価し、事業の状況に合わせて見直すことが不可欠です。
たとえば、「CO2排出量を削減する」という漠然とした目標ではなく、

本社営業フロアの照明を全てLEDに更新し、当該エリアの電力使用量を前期比5%削減する
といったように、「誰が・何を・いつまでに・どのように」を明確にした具体的なアクションプランに落とし込みましょう。

高すぎる目標は敬遠されますが、簡単すぎる目標では改善に繋がりません。
従業員が「少し頑張れば達成できそうだ」と感じられる、挑戦的かつ現実的な「スモールステップ」を設定することが、継続の秘訣です。
達成した際には、きちんと評価し、次のステップに進む。
この繰り返しが、着実なスパイラルアップを生み出します。
ポイント②:体制の「再構築」と「役割分担の明確化」
環境活動が「特定の担当者任せ」になっていないでしょうか。
担当者が一人で奮闘している状態は、非常に脆弱です。
その方が異動や退職をすれば、活動は一気に停滞してしまいます。
ここで重要なのが、経営トップの継続的なコミットメントです。
従業員は経営トップの顔を見ています。
社長や役員が、環境経営委員会などの会議に積極的に参加し、「環境経営は会社として重要課題である」というメッセージを発信し続けることで、全社の意識は大きく変わります。
また、担当者が孤立しないよう、各部署に推進キーパーソンを置き、推進会議を定期的に開催するなど、全社を巻き込む体制を再構築しましょう。
役割と責任を明確にし、多くの従業員にエコアクション21の役割を分担してもらうことで、「自分事」として捉える従業員が増えていきます。
同時に、担当者が変わってもスムーズに運用できるよう、活動内容や記録方法をまとめた引継ぎマニュアルを整備しておくことも、重要なリスク管理です。
ポイント③:活動の「見える化」と「情報共有の仕組み化」
従業員の多くは、「自分たちのやっている小さな省エネ活動が、本当に会社の役に立っているのだろうか?」と感じています。
この疑問に答えるのが「見える化」です。
環境経営レポートや社内報、朝礼や社内掲示板などを活用し、活動の進捗や成果を定期的に全社で共有しましょう。
その際は、単に「電気使用量が〇kWh減りました」と報告するだけでなく、

これは〇〇円のコスト削減に繋がり、〇〇家庭分の年間消費電力に相当します!
といったように、誰もがイメージしやすい言葉やグラフ、写真を用いて伝える工夫が効果的です。
さらに、従業員からの改善提案を吸い上げる仕組み(提案箱の設置、チャットツールの活用など)を設け、良いアイデアは積極的に採用・表彰することで、参加意識とモチベーションを飛躍的に高めることができます。
ポイント④:「本業との連携」で経営メリットを最大化する
環境活動を「コストセンター」や「守りの活動」と捉えるのは、非常にもったいない考え方です。
これからの時代、環境経営は「利益を生む攻めの活動」となり得ます。
ぜひ、自社の本業である製品の環境性の向上やサービの改善に力を入れてみてください。
たとえば、
- 製造業であれば、環境配慮型素材を使った新製品開発や、生産プロセスの省エネ化
- 建設業であれば、省エネ性能の高い建物の提案や、建設副産物の再資源化率向上
- サービス業であれば、ペーパーレス化の推進や、業務効率化のシステム活用
など、事業の特性に応じた取り組みが考えられます。
製造業
- 環境配慮型素材を使った新製品開発
- 生産プロセスの省エネ化
建設業
- 省エネ性能の高い建物の提案
- 建設副産物の再資源化率向上
サービス業
- ペーパーレス化の推進
- 業務効率化のシステム活用
また、取得したエコアクション21認証は、ウェブサイトや会社案内、名刺などにロゴを掲載し、積極的にPRしましょう。
これは、取引先からの信頼獲得、金融機関からの融資における有利な条件、そして環境意識の高い優秀な人材の確保など、様々な経営メリットに繋がる強力なブランディングツールです。
ポイント⑤:外部の視点を活用し、マンネリを打破する
社内だけで活動を続けていると、どうしても視野が狭くなり、マンネリに陥りがちです。
そこで有効なのが「外部の視点」の活用です。
まずは、アドバイスさせていただきます。
中間・更新審査は「評価される試験」ではなく、「会社の環境経営をより良くするための健康診断」と捉えましょう。
審査員からの指摘や助言は、自社では気づけなかった課題や改善のヒントの宝庫です。
真摯に受け止め、次の活動計画に活かしてください。
次に、他の認証取得事業者との交流です。
自治体や商工会議所が主催するセミナーや交流会に積極的に参加し、他社の成功事例や失敗談から学びましょう。
新たな気づきや、自社でも応用できるアイデアが見つかるはずです。
そして、活動の停滞や形骸化に悩んだ際には、我々のような外部コンサルタントを頼るという選択肢もあります。
客観的な第三者の視点から、皆様の会社の状況に合わせた具体的な改善策をご提案し、再び活動が活性化するよう伴走いたします。
おわりに:小さな改善の積み重ねが、未来を拓く
エコアクション21の維持・改善は、決して特別なことではありません。
日々の業務の中に「もっと環境に良くするには?」「もっと効率的にするには?」という視点を少し加えることから始まります。

出典:エコアクション21ガイドライン 2017 年版 6頁 図3
https://www.ea21.jp/files/guideline/gl2017/gl2017_kaishaku.pdf
「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)」のサイクルを粘り強く回し続けることで、環境負荷の低減は着実に進みます。
それはコスト削減や企業価値の向上といった経営上の果実となって、必ず皆様の会社に返ってきます。
このスパイラルアップの先に、企業の持続的な成長と、より良い社会の実現があります。
皆様の挑戦が、未来を拓く大きな一歩となることを、心より応援しております。
もし、認証後の運用でお困りのこと、改善の進め方で悩まれていることがございましたら、いつでもお気軽にKKFまでご相談ください。


